2006年11月20日

南天。

家から一番近くの公園の際には、その隣の私有地から張り出した、
大きな大きな南天の樹が在る。
樹高20m以上、幹周りは1mを越す。

大きな樹の枝葉の下に立ち、真上を見上げると、
この時期、濃緑に赤い南天の実を無数に見る。

この樹には、確かに宿る大きな暖かいものが居る。
生きる者も生きた者をも、全てを癒す暖かさ。
こちらを包み込むその暖かい力に、何度助けられた事か。


数年前の今の時期、雨上がりに近くの川を通った時、
頭の中に悲鳴に近い叫びが届いてきた。

「苦しい冷たい、誰か助けてお願い助けて。」

川を見下ろすと、雨上がりの濁流の中、可愛らしいペットキャリー。
川岸に流れ着いた流木に引っかかって。
半分水に浸かったキャリーには、もう息絶えた猫であろうものが浮いていた。

あまりの惨さに涙が止まらなかった。

増水した川には下りていけない。
こっちへおいで、さあ早く、この手においで。
左の手を差し出し、ありったけの思いを込める。

その残されたものは一気に私の左手に届いてきた。

数週間、我が家の逝った者達と共に過ごさせた後、
その子を公園の南天に託した。

その子の気は、優しく大きな南天の樹にゆっくりと吸い込まれていった。

今度は幸せになるんだよ。

この南天の樹には、優しくたくさんのものが守られている。
posted by ゆめ鼓 at 23:11| Comment(8) | 見えたもの。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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